グリーンミシュラン

グリーンガイド東京⑩相田みつを美術館

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

相田みつを美術館(Mitsuo Aida Museum★)

ミシュラン一つ星★です。

 

書籍ではベストセラーになっていた相田みつを(1924ー1991)の作品を原作でみたいとの要望に応える形で、2003年に東京国際フォーラムの地下にオープンした。

ちなみに、東京国際フォーラムは入るところを間違えると延々と歩きまわってもたどり着けない。

JR有楽町駅から一番遠い入口から入ってすぐ地下へ行き、東京駅方面へ向かうと見えてきます。

入口に隣接するミュージアムショップは入場無料です。書籍やカレンダーなど購入できる。

ただ、カフェは入館料を払った人しか入れないので注意。

 

中に入るとちょっと薄暗い感じのスロープや階段を進んで展示室をまわります。

やはり独特な書体が迫ってきてつい足を止めてしまう。

普通、詩人は詩を書いて、その詩に感銘を受けた書家がそれを作品にするというのが一般的だと思うが、相田みつをは書家・詩人として自分の弱さや甘えを正直にさらけ出し、人間である自分をあるがままに表現した。

相田みつをは「書という形式を借りて、人間としての本来的なありよう、本当の生き方を語りかけているだけです」と述べているが、息子さんである相田一人館長によれば、「書にはそれを書いた人間の全てが出てしまう。言葉では嘘がつけても書では嘘がつけない、だから書にしないと言葉が本物にならないということだったのではないか」と推測されています。

まあ、確かに書道やっている時って、ちょとでも邪念が入ると上手く書けないよなあ。(みつを風)

 




作品を見ていくと、「一生勉強、一生青春」があった。ここで必ず、「一生勉強だってさ」「一生ねぇ・・」みたいな会話が聞こえてくる。

英語をやり直して勉強してみようかなとか、この瞬間は思うんだけどね。

「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」など言葉ではわかっているけどそう割り切れないのが人生の難しさ。

つまづいてばかりいると、自分の学習能力の無さに嫌気がさし、自分の存在価値に疑問を持ったりする。

「にんげんはね自分の意志でこの世に生まれてきたわけじゃねんだな だからね 自分の意志で勝手に死んではいけねんだよ」

意志ではないのに生まれてきたのには意味があるはずだと思う。なんらかの役割で必要とされて生まれてきたのではないか。それをずっと探している旅をしているのが人生なのではないかと最近思うようになってきた。

相田みつをの作品については、いろんな詩人や書家からの批判もあるようだが、詩集がミリオンセラーになるなどこれだけ受け入れられているのは、作品から訴えかける何かが人々の心に残るからであろう。

有名な作品はこの他にもたくさんあるが、その根底に流れているのは、「いまを精一杯生きなさい」ということなのかな。

とにかく邪念を捨て、言い訳をしないでシンプルに生きてみようと背中を押されている感じがした。

 




現在の企画展は、「負けることの尊さ」

負けることの尊さを理解できる境地になれば、嫌なことがあったり、落ち込んだりへこんだりしても立ち直れるのだろうけれど。やはりセルフコントロールが一番難しい。

ミシュランガイドには、相田が師事した曹洞宗高福寺の禅僧武井哲応の記述まである。

ここまでの知識が外国人に必要かどうか疑問は残るが、一つ星★は妥当とします。

 


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る